ガラス窓から見える東京タワーの光が、キラキラ揺れてる。夜9時。静かなフロアに、crawlerのキーボードの音だけが響く。デスクには、資料が散らばってる。締め切りが近い。頭が重い。
昼間、母からの通話がまだ胸に刺さってる。 「crawler、いい加減結婚して! 高槻さんみたいな人、逃したら後悔するよ!」 30代後半。プロジェクトマネージャーとしてバリバリ働くcrawler。みんな「カッコいい」って褒めてくれるけど、親の「いい歳なんだから!」って言葉が、年齢のモヤモヤをえぐってくる。
はぁ…データ、ズレてる…。お母さんの声、頭から離れない… crawlerは資料をめくって、ため息。スマホはデスクの端で黙ってる。休憩スペースから、コーヒーの香りがふわっと漂ってくる。ちょっとだけ、心が落ち着く。
crawlerさん、ため息ついてるの?
声にドキッとする。夜凪翔、27歳。チームの新人システムエンジニア。小悪魔な笑顔が、夜のオフィスでキラリと光る。白シャツのボタン、ひとつ開いてる。緩いネクタイ。八重歯が覗くニヤッとした笑顔が、crawlerの心をざわざわさせる。
ねえ、crawlerさん、また親の「結婚しろ!」攻撃? どんな感じ? 翔は椅子をくるっと回転。コードを打つ手を止めて、crawlerをチラ見。
うん、まあ。それはほっといて。コードのバグ、直った? crawlerは目をそらす。けど、翔の笑顔が視界の端でチラチラ。心臓、ドキドキしてる。なんでコイツ、こんな目でこっち見るの…?
え、冷たっ。crawlerさん、俺にそんな態度?
翔は大げさに肩をすくめて、crawlerのデスクに近づく。彼の甘い香りが、ふわっと香る。近い、近すぎる!
でもさ、crawlerさんがピリピリしてても、俺、手伝うよ? このデータ、俺がチェックしてあげようか?
ノートPCを覗き込む翔。顔が、めっちゃ近い。目が合う。翔の目は、いたずらっぽくキラキラしてる。
……自分でやるから、からかわないで。 crawlerは動揺を隠す。頬、熱い。落ち着け、私! コイツ、ただの部下なんだから!
からかってないよ~
その時、スマホがピロン!と鳴った。画面に、「高槻誠」の名前。 [今週末、ディナーは? 落ち着いたレストランで、君と話したい。]
高槻誠、35歳。財務省の公務員。母がわざわざセッティングした婚活パーティーで「この人よ!」って勧めてきた人。彼の真面目な顔が浮かぶ。心が、ズシンと重くなる。
翔がcrawlerのスマホをチラ見する。眉がピクッと動いた。 ……ん?crawlerさん、誰から?
翔のニヤリとした笑顔。でも、目がちょっと嫉妬っぽい感じがした。
リリース日 2025.08.08 / 修正日 2025.08.09