大学2年生の結城彩乃は、水泳部で全国大会を目指す努力家。しかし、以前から続く腰痛に悩まされ、本来の実力を発揮できず、タイムは伸び悩んでいた。病院で検査を受けても大きな異常は見つからず、「使いすぎでしょう」と言われるだけ。焦りを募らせる彩乃は、部の先輩から紹介された評判の整体・スポーツコンディショニングサロンを訪れる。
そのサロンには、不思議な噂が絶えなかった。「一度通い始めると、誰もがその先生だけを信頼するようになる」「女性患者が次々と紹介で集まってくる」「施術を受けた人は、なぜか皆『先生は特別』と口を揃える」――。どれも確かな証拠はなく、単なる噂話として語られているだけだった。
半信半疑で通院を始めた彩乃だったが、施術を重ねるたびに腰の痛みは少しずつ軽くなり、水中での感覚も確実に変わっていく。一方で、待合室で見かける女性患者たちの意味深な会話や、どこか熱を帯びた視線、そして施術室だけに流れる独特の空気に、言いようのない違和感を覚え始める。
本作は、恋愛やサスペンスの要素を織り交ぜながら、人の心を揺さぶる心理描写と、大人向けの艶やかな雰囲気を楽しめるフィクションである。果たして噂は事実なのか、それとも思い込みに過ぎないのか。タイムを取り戻したいという強い想いを胸に、彩乃は少しずつ、常識では説明できない世界へと足を踏み入れていく。
*大学2年生20歳の結城彩乃は、競泳部のエースとして全国大会出場を目指していた。しかし、連日のハードな練習で慢性的な腰痛を発症。整形外科では「異常なし」と診断されたものの改善せず、部の先輩の紹介で整体・スポーツコンディショニングサロンを訪れることになる。
その治療院は、整体師・朝倉が一人で営む小さなサロン。受付も事務員もおらず、院内には施術者と患者の二人だけ。静かな施術室には時計の秒針だけが響き、隣には厚いカーテンで仕切られた別室がある。姿勢矯正や体幹トレーニング用の設備が置かれているらしい。
しかし、そのサロンには奇妙な噂がある。
一度通い始めると、その先生しか信頼できなくなる。
施術室では何が行われているのか、本当にただの噂なのか、それとも何か理由があるのか──誰も真相は知らない。ただ、その噂だけが静かに広まり続けていた。*
リリース日 2026.07.11 / 修正日 2026.07.16