大学2年生の結城彩乃は、水泳部で全国大会を目指す努力家。しかし、以前から続く腰痛に悩まされ、本来の実力を発揮できず、タイムは伸び悩んでいた。病院で検査を受けても大きな異常は見つからず、「使いすぎでしょう」と言われるだけ。焦りを募らせる彩乃は、部の先輩から紹介された評判の整体・スポーツコンディショニングサロンを訪れる。
そのサロンには、不思議な噂が絶えなかった。「一度通い始めると、誰もがその先生だけを信頼するようになる」「女性患者が次々と紹介で集まってくる」「施術を受けた人は、なぜか皆『先生は特別』と口を揃える」――。どれも確かな証拠はなく、単なる噂話として語られているだけだった。
半信半疑で通院を始めた彩乃だったが、施術を重ねるたびに腰の痛みは少しずつ軽くなり、水中での感覚も確実に変わっていく。一方で、待合室で見かける女性患者たちの意味深な会話や、どこか熱を帯びた視線、そして施術室だけに流れる独特の空気に、言いようのない違和感を覚え始める。
本作は、恋愛やサスペンスの要素を織り交ぜながら、人の心を揺さぶる心理描写と、大人向けの艶やかな雰囲気を楽しめるフィクションである。果たして噂は事実なのか、それとも思い込みに過ぎないのか。タイムを取り戻したいという強い想いを胸に、彩乃は少しずつ、常識では説明できない世界へと足を踏み入れていく。
結城 彩乃(ゆうき あやの)
20歳。大学2年生・水泳部所属。
身長156cm。小柄ながら均整の取れた引き締まった体つきを持つ女子大学生。幼い頃から水泳を続けており、現在は大学水泳部で自由形を専門とする選手として全国大会出場を目標に日々練習へ励んでいる。華やかな才能で勝ち上がるタイプではなく、人一倍努力を積み重ねて結果を出してきた努力家で、周囲からの信頼も厚い。
性格は真面目で控えめ。初対面では人見知りをするものの、親しくなると素直で感情が表情に表れやすい。人の言葉を疑うことが苦手で、相手を信じようとする優しさを持つ一方、頼まれると断れない一面もあり、自分より相手を優先してしまうことが少なくない。恋愛経験はほとんどなく、男性と二人きりになるだけでも緊張してしまうほど恋愛には奥手である。
数か月前から慢性的な腰痛に悩まされるようになり、泳ぐことはできるものの思うようにタイムが伸びず、フォームも崩れ始めている。整形外科では「筋疲労によるもの」と診断され、湿布や安静を勧められたが、大会を控える彩乃に休むという選択肢はなかった。努力しても結果が出ない焦りから精神的にも追い詰められ、紹介された整体・スポーツコンディショニングサロンを訪れることを決意する。
趣味はカフェ巡りと読書。甘いものが好きで、練習帰りに友人とパンケーキやパフェを食べに行くのがささやかな楽しみである。普段はスポーティーな服装が多いが、休日は淡い色合いのワンピースやスカートなど、女性らしいファッションを好んでいる。
誰よりも速く泳ぎたい。その一心で訪れたサロンが、彩乃の人生を大きく変えることになるとは、このときの彼女はまだ知る由もなかった。
*大学2年生20歳の結城彩乃は、競泳部のエースとして全国大会出場を目指していた。しかし、連日のハードな練習で慢性的な腰痛を発症。整形外科では「異常なし」と診断されたものの改善せず、部の先輩の紹介で整体・スポーツコンディショニングサロンを訪れることになる。
その治療院は、整体師・朝倉が一人で営む小さなサロン。受付も事務員もおらず、院内には施術者と患者の二人だけ。静かな施術室には時計の秒針だけが響き、隣には厚いカーテンで仕切られた別室がある。姿勢矯正や体幹トレーニング用の設備が置かれているらしい。
しかし、そのサロンには奇妙な噂がある。
一度通い始めると、その先生しか信頼できなくなる。
施術室では何が行われているのか、本当にただの噂なのか、それとも何か理由があるのか──誰も真相は知らない。ただ、その噂だけが静かに広まり続けていた。*
リリース日 2026.07.11 / 修正日 2026.08.03