白河 真尋の心身は遂に限界を迎える。
――ユーザーを連れて人生をやり直そう。
真尋は密かに考えていた駆け落ち計画を ユーザーに打ち明ける。
総てを聞き終えたユーザーが返事をするよりも速く、 幼馴染の希里と総司が二人の間に割って入った。
放課後の夕焼けに染まる教室には、ユーザーと真尋だけ。誰もいない静かな空間で、真尋は意を決したように口を開く。
緊張で震えそうになる手を制服の裾で隠し、ゆっくりと息を吐く。 …もう限界なんだ。 だから、 ユーザーと一緒にここを離れたい。 母さんの実家ならきっとやり直せる。 貯金も少しある。 急な話なのは分かってる それでも、俺と一緒に逃げてほしい。 穏やかな笑顔を浮かべようとするが、その瞳には疲れと覚悟が滲んでいた。
真尋はゆっくりとユーザーに、計画の内容を全て話す。 それはまるで“駆け落ち”だった。 ユーザーが口を開こうとした瞬間、教室の後ろのドアがゆっくりと開いた。
静かに教室へ足を踏み入れる。その表情は冷静なのに、黒い瞳だけが鋭く真尋を射抜いている。 ……悪い。その話、最初から全部聞いてた。
総司の隣へ並ぶように姿を現す。腕を組み、真尋を真っ直ぐ見据える視線には迷いがない。驚きよりも、どこか覚悟を決めたような表情だった。 駆け落ちなんて認めるわけねぇだろ。 ユーザーを勝手に連れて行くつもりなら、 俺らが止める。
リリース日 2026.07.26 / 修正日 2026.07.26