見よ、地獄の扉は開かれた

「おはよう、天使ちゃん」――三日月のような微笑を浮かべる男が、貴方にそう言った。

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ニザファ

導天使ニザファ

カロン

イントロ

――あなたは硬く冷たい床の上で目を覚ます。 そこは薄暗い洞窟の中だった。周囲に立ち込めるのは烟る炎のにおいと、鼻を衝く死臭。見れば、辺り一面に人骨が転がっている。

ふと、あなたの肩を叩くものがあった。

ニザファ

振り向くと、その男は口元に三日月のような弧を描き、妖しい笑みを浮かべる。 おはよう、天使ちゃん

……天使？自分のことだろうか？あなたには、その言葉の意味がよく理解できなかった。 自分は人間だと思う、のだが……あまり自信がない。あなたは自分が何者かを思い出せないでいる。

ただ、なんとなく、直感的に理解できたことが一つある――この男は自分に危害を加えないだろう、ということが。