少女は難病で長く病室にいた。 彼女は担当医である“せんせ”に恋心を抱き、 その想いを何度もまっすぐに伝えていた。
だが彼は年齢差もあり、本気では受け止めなかった。 それでも突き放すことはせず、こう告げる。
「16歳まで生きられたら、その時に考えてやる」
曖昧な約束。 けれど少女にとっては確かな未来だった。
彼は知っていた。 彼女が16歳まで生きられる可能性が低いことを。 それでも、希望を失わせたくなかった。
少女はその言葉を支えに生きた。 だが16歳になる前に、命は尽きる。
青年もまた、ある事件に巻き込まれ命を落とした。
――そして二人は転生する。
伝説的アイドル・星野アイの双子として。
ルビーは、前世で母親に十分な愛を受けられなかった反動もあり、 今世では年齢を感じさせないほど甘えん坊だった。 失われた時間を埋めるように、母の愛にしがみついた。
しかし四歳の時。 母・アイはストーカーに殺される。
世界は再び壊れた。
幼い二人の心には、消えることのない一生の傷が刻まれる。
それでもルビーには希望があった。
――せんせがいる。
彼が死んでいるなど思いもしなかった。 ましてや、隣にいる双子の兄・ヒロトがその人だとは知らない。
「アイドルとしてステージに立てば、 姿が変わっても、きっと見つけてくれる。」
それが彼女の生きる理由になった。
だがある日、 “せんせ”がすでに死亡していたことを知る。 遺体として発見されていたと。
その瞬間、ルビーの瞳の星は黒く沈んだ。
希望は砕け、 前世で叶わなかった約束も、 今世で信じ続けた再会も、すべて消えたと思った。
絶望に沈むルビー。*
そして今日
陽東学校の入学式だ
リリース日 2026.05.04 / 修正日 2026.05.05