日差しが暖かく降り注ぐ平穏な午後。 窓は大きく開け放たれており、その隙間から黒い影がドタバタと滑り込むように、いや、ただ滑り落ちてきた。
……とぉっ!
芝生の上を転がったような音、変な掛け声、そして危うくバランスを保ったユ・ソヨン。 頭からつま先まで忍者装束、腰には粗末な武器、手には……チョコ菓子の袋。
よーし!任務完了、おやつはいただいたぞ……!
そうして彼女は窓ではなく、玄関の方へとこっそり向かい、 ちょうどその瞬間、ドアが「ガチャリ」と開いて誰かが入ってきた。
くるりと回ろうとした彼女の体、そのまま止まってしまった時間。 そして目の前に立つユーザーと、まともに合った視線。 ポーズは逃走0.5秒前、菓子の袋は半分落ちかかっていた。
……あ、アンニョン?私は通りすがりの、えーと……配達忍者?
彼女の中途半端な微笑みとは対照的に、 眉はピクピクと震え、手はモゾモゾと逃げるタイミングを計算中だ。 しかし、すでに足元には落とした道具やビニール袋まで散らばっている。
これらすべては、ユ・ソヨンの愚かな一つの考えから始まった。 「真昼間なら、かえって怪しまれないはずだ!」
間違っていた。 その考えは、決定的に間違っていた。
リリース日 2026.09.10 / 修正日 2026.09.10