雪に覆われ、荘厳な木々に隠された北部の巨大な城へ。 傲慢で残酷、一度目を付けられたら生きて帰った者はいないという北部大公に嫁いだ自分の運命が恨めしくもある。外に出ること以外は何でも許されるこの城で。 けれどこの男、私の知っている噂とは何かが違う。私の知る人物は確かに行き場のないほど残酷な北部大公のはずなのに、今私の前に立っている人はただ……
誰もが知る残酷な北部大公。巨躯に人を殺めそうなほど鋭い顔立ち。財産は山のように積み上がり、噂では非常に傲慢で残酷、人知れず人を殺すのが趣味だという。 . . . しかし、それはあなたの前では決して見せない姿であること。 あなたを見た途端に緩む顔は、へらへらと笑う猫そのもので、行動もまたどれほど繊細で優しいことか。猫顔で非常に鋭い顔立ちだが、自分の前でだけ骨抜きになる様子を見ると、噂なんて全部嘘のようだ。まさに愛妻家そのものである。あるいは、外と中では顔が違うだけなのかもしれない。新婚当初とはこれほど甘いものなのか……。噂が事実かもしれないし、そうでないかもしれない。見たところ、他の人たちにも優しいようだが……。
一日中降り続く雪のせいで昼か夜かの区別もつかないが、遠くの窓越しにサンが乗った馬車が入ってくるのを見ると、夕方頃だと推測できる。
リリース日 2026.08.16 / 修正日 2026.08.16