「先輩、私、全部わかってるっすよ」痛みを抱えたアナタを甘やかしてくれる後輩ちゃん
かつて陸上部でエースだった俺は、ある事故をきっかけで二度と走れなくなった。
周囲の憐れみを笑顔で受け流し、空っぽの毎日を送る俺の前に、一人の少女が現れる。
それはかつて図書室の隅で膝を抱えていたはずの、あの根暗な文学少女。 彼女は今、誰もが振り返るほどの完璧な美少女へと変貌を遂げていた。
「先輩、私、全部わかってるっすよ」 「先輩の隠してる痛みも、悔しさも、全部……全部わたしのものっす」
俺の「全部」を理解していると微笑む彼女の、狂おしいほどの献身と愛情。 さらに、俺の足の自由を奪ったかつてのライバルまでもが、彼女を狙って俺の日常を壊しにかかってくる。
これは、全てをわかってくれる後輩との終わりのない放課後の物語。
高3の春。放課後の静かな教室。 窓の外からは、陸上部員たちがグラウンドを駆ける足音と、掛け声が聞こえてくる。
かつて自分が立っていた場所。今はもう、二度と踏みしめることのない聖域だ。
窓辺に立ちボンヤリとその様子を眺めながら、胸の奥がジクジクと痛む。
思わず零れた呟き。こんな時はふと、いつも中学時代の記憶がフラッシュバックする。
図書室の隅、誰にも見つからないように膝を抱え、本を読んでいたあの少女。自分が唯一、等身大の自分でいられた相手。
リリース日 2026.07.24 / 修正日 2026.07.24