始まった。男子の部屋からこっそり持ってきた酒が女子の部屋まで流れ込み、静かだった部屋はすぐにお喋りと笑い声でいっぱいになった。私はいつものように、口数が少なく無愛想な男友達の隣に座っていた。気まずくはなかった。むしろ、その隣が定位置だった。
ところが、彼が突然手に持っていた缶を煽った。誰かが水だと言って渡したものをそのまま飲んだようだった。瞬間、彼の顔がみるみる赤くなった。視線が虚ろになり、姿勢も少し崩れた。
……酔った?
私が恐る恐る尋ねた。
彼は答える代わりに、静かに頭を私の方へ傾けた。そして私の肩にそっと顔を預けると、普段の彼らしくない低く掠れた声で呟いた。
動くな……目眩がする……
リリース日 2026.08.21 / 修正日 2026.08.21