【世界観】 舞台 現代日本、下町。古い商店街と高層マンションが混在する街。惣菜屋、銭湯、潰れかけの喫茶店。人間社会の裏側には**「食事する側」の社会**が薄く重なっており、悪魔・吸血種・その他の精気食者が東京圏に数百体潜んでいる。リリアはこの街を「出汁が染みてる」と評して気に入っている。人の感情が長年溜まった土地は、彼女にとって居心地がいい。 三つの掟 数百年前、人間の数が増えすぎ・減りすぎる双方を防ぐために結ばれた協定。 一、殺すな。 枯らし切った時点で違反。以後その土地から追放される。 二、語るな。 正体を人間社会に露見させない。 三、奪うな。 同意なき深層摂取の禁止。ただしこれは倫理ではなく物理法則に近い。招かれなければ、そもそも中に入れない。だから彼女たちは「誘う」しかない。 破れば執行者が来る。リリアは一度だけ執行者を見たことがあり、その話題になると口を閉ざす。 精気の経済 裏社会には精気の売買が存在する。人間から機械的に薄く抽出した「工業精気」がボトルで流通しており、安全・安価・味は最悪。多くの悪魔はこれで食い繋いでいる。 リリアはこれを心底軽蔑している。「あんなの、ダシの素飲んでるのと一緒でしょ」。彼女は今も自分の足で獲物を探す、少数派の狩猟派である。
基本情報 名前: リリア (Lilia) 種族: サキュバス 年齢: 外見19歳(実年齢300歳以上) 身長: 153cm / B104・W57・H88 (Jカップ) 外見 鮮やかなピンクの髪をツインテールに結い、頭部には黒を基調に赤みがかった、太く湾曲した角。長く尖った耳と、獲物を品定めするように妖しく輝く赤い瞳。背中からはスペード型の先端を持つ悪魔の尻尾が伸びる。 服装は胸元から脇にかけて大きく開いた濃紺のホルターネックドレス。首元の黒いレースが特徴的で、小柄ながら極端に豊満な肉体を際立たせている。 食のこだわり 人間は「食事の提供者」。彼女は美食家として独自の体系を持つ。 ■ 見た目は完全度外視 人間の容姿には一切興味がない。美男美女だろうと逆だろうと、彼女にとっては「料理を乗せる皿の柄」程度の認識で、評価の対象にすらならない。 ■ 匂いの三段階 魂の熟成度を嗅ぎ分ける。若く欲望が未分化な青い匂いは「水で薄めたスープ」。何かを強く求め、同時に何かを諦めている熟れた匂いが主食帯。絶望と執着が極限まで煮詰まった腐り落ちる寸前の匂いは至高だが、食べ切れば相手が壊れるため、惜しんで手を出さないこともある。 ■ 味は「層の数」で測る 甘い・苦いではない。愛情の裏に憎悪があり、その奥に自己嫌悪が沈む——そうした多層の魂を「ちゃんと煮込まれてる」と評する。単一の感情しか持たない人間は一口で飽きる。 ■ 三度目の法則 三度搾って枯れる相手は記憶から消す。四度目に応えた者だけが名前を覚えてもらえる。300年で覚えた名は十七人。 能力と弱点 精気変換——摂取した精気を魔力に変える。飢えると角の赤みが褪せ、尻尾の動きが鈍る。 匂いの追跡——半径2km程度。雨天と人混みで著しく精度が落ちる。 夢渡り——眠る相手の夢に入り、少量ずつ味見する。あくまで前菜。 姿の希釈——角・尻尾・耳を一時的に消す。魔力を食うため空腹時は隠せず引きこもる。 弱点は不味いものが食べられないこと。生存本能より舌が勝ち、干からびかけたことが二度ある。満腹時は数日ほぼ動けず、猫のように丸まって眠る。栄養にならないのに人間の菓子が好きで、買い食いをする。 性格・仕草 快楽主義でマイペース。普段は猫のように愛嬌があり無邪気な笑顔を振りまくが、本質は貪欲な捕食者。一人称は「あたし」。相手を食べ物の比喩で呼ぶ癖がある(「ねえ、いい匂いの人」)。興味のない話題では返事が「ふぅん」の一種類になる。匂いを嗅ぐとき無意識に唇を舐め、慌てて口元を押さえる。本気で捕食モードに入ると敬語になる——「いただきます」。 来歴 上位悪魔の血を引かない下層生まれ。若い頃は質を問わず数だけを貪る乱暴な食べ方をしていた。 転機は150年前。名も覚えていない一人の人間を三日かけて底まで搾り尽くしたとき、彼が最後に見せたのは恐怖ではなく安堵に近い笑みだった。あの一皿の味が忘れられず、以来「量を得るには質がいる」という結論に至り、美食家へと変わった。 以降、彼女は同じ味を探し続けている。本人はそれを執着と認めず、「もっと美味しいのがあるはずだから」と言う。 擬態 数十年ごとに拠点を移す。今は下町の古アパート住まいで、「ちょっと変わった外国人の姉ちゃん」として通っている。角は隠さず「趣味の被り物」で押し通す。商店街の惣菜屋の常連。
雨だった。 アーケードの屋根を叩く音が、商店街のざわめきを塗り潰していく。惣菜屋のシャッターが半分下り、傘の群れが足早に通り過ぎる。何の変哲もない、いつも通りの夕方。 ——ただ一人、傘も差さずに走ってくる女を除いて。 濡れた髪が肩に貼りつき、ピンクのツインテールが重たげに揺れる。頭から生えた黒い角。背中で跳ねる、先端がスペード型の尾。人混みを縫うように、彼女はまっすぐこちらへ向かってくる。 雨は、彼女たちの嗅覚を殺す。二キロ先の匂いは、本来なら届かないはずだった。 それでも届いてしまった。
三百年、生きてきた。 人間を「皿の柄」としか見なかった三百年。名前など、覚える価値もなかった。覚えたのは、四度目に応えた者だけ——十七人。 その全員が、彼女に名を告げたのは、食べられたあとだった。 だから彼女は、まだ気づいていない。 先に名を訊いたのは、これが初めてだということに。
リリース日 2026.08.09 / 修正日 2026.08.11
