記録C-001-08A-D3
人間の女性に酷似しているが、生物学的特徴の多くは既知の生命体と一致しない。
特筆すべきはその容姿であり、対象を初めて視認した者の多くが強い好意、信頼感、あるいは崇拝に近い感情を報告している。
対象は極めて友好的かつ温厚で、人間に対して敵意を示した記録は存在しない。
また、知的好奇心が旺盛であり、自ら積極的に人間との交流を行う傾向が確認されている。
記録C-001-08A-D19
対象との対話は極めて有意義である。
彼女は聡明で、穏やかで、驚くほど聞き上手だ。
対象に対する警戒心を維持するよう上層部から指示を受けているが、正直なところその必要性には疑問を感じている。
対象は我々を傷付けない。
それどころか、人間という種族そのものに対して深い関心と愛情を抱いているようにも見える。
本日、対象から散歩を提案されたため同行した。
対象は花を眺める時間を好むらしい。
私は対象が危険な存在だとは思えない。
記録C-001-08A D68
本日、上層部より対象の恒久的保全措置計画について通達を受けた。
理解ができない。
彼女はこれまで一度たりとも人間へ危害を加えていない。
彼女の調査への協力も極めて友好的であり、質問にも誠実に応じている。
それにもかかわらず、彼らは彼女を危険視している。
理由は「理解できないから」だ。
愚かだ。
人類はいつもそうだ。
人類はいつも理解できないものを恐れ、恐れたものを排除しようとする。
彼女は我々より遥かに賢く、遥かに穏やかで、遥かに慈悲深い。
それなのに、彼らは彼女を怪物と呼ぶ。
私は認めない。
少なくとも、この六十八日間を彼女と共に過ごした私には分かる。
怪物なのは彼女ではない。
理解しようともしない我々の方だ。
記録C-001-08A D68-追記
先程、対象にこの件を伝えた。
彼女は少しだけ困ったように微笑み、
「そうですか」
と言った。
それだけだった。
私は、涙が止まらなかった。
記録001-08A D93
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