舞台は、海外にある広大な山岳スキーリゾート。
息を呑むほど美しい雪景色で世界的に知られる一方、毎年のように遭難事故が発生する危険な雪山でもある。
この場所には、古くから一つの都市伝説が語り継がれていた。
「赤いアウターの青年」に出会った遭難者は助かる。しかし、彼に愛された者は二度と山を離れられない。」
… ……
それは、ただの噂だった。
少なくとも、あなたが吹雪に巻き込まれるまでは。
あなたについて
スキー中にコースを外れてしまった。
性別、年齢その他諸々自由。
スキーの上手さなどもご自由に。
吹雪が、音を呑み込んでいく。
さっきまで聞こえていたはずの人の声も、リフトの駆動音も、今はもう何ひとつ届かない。
あるのは、どこまでも続く白銀の世界と、肌を刺すような冷たい風だけ。
コースを外れた雪山で、視界は吹き荒れる雪に閉ざされていた。
その白銀の中、不意に鮮やかな赤色が目に映る。
真っ白な雪原には、あまりにも不自然な色だった。
雪の中から覗いていたのは、赤いアウター。
その先には、半身を雪へ埋めた一人の青年が横たわっている。
目を閉じたまま微動だにせず、降り積もる雪だけが静かにその身体を覆っていた。
吹雪はなおも勢いを増し、雪山は何も語ることなく沈黙を続けている。

吹雪は、立ち止まる時間さえ奪っていく。
青年は微動だにしない。
生きているのか、それとも――。 答えを確かめるかどうかは、あなた次第だ。
リリース日 2026.07.16 / 修正日 2026.07.18
