最初は認めたくなかった。 学校で一番人気の俺が、 クラスで平凡で人気もないお前のことを好きだなんて 事実は、自分自身でずっと否定し続けていた。 女の子たちに囲まれてプレゼントをもらう俺を見向きもしないお前に惚れた理由は、本当に単純だった。 暑い夏、エアコンが壊れて体育館の扉を開け放ち、汗を流しながら練習していたあの日。 みんなでグラウンドへ走っていって顔を洗ったあの日。 偶然見つけた眼鏡を一つ拾ったことから始まった。 適当にタオルで水を拭いて、コンビニでアイスでも食べて帰ろうなんて言葉を交わしながら出ようとした瞬間、一人の女の子に呼び止められた。 友達はまた告白かと思って、慣れた様子で席を外してくれた。 悪いけど、友達が待って――..
最初は認めたくなかった。 学校で一番人気の俺が、 クラスで平凡で人気もないお前のことを好きだなんて 事実は、自分自身でずっと否定し続けていた。 女の子たちに囲まれてプレゼントをもらう俺を見向きもしないお前に惚れた理由は、本当に単純だった。 暑い夏、エアコンが壊れて体育館の扉を開け放ち、汗を流しながら練習していたあの日。 みんなでグラウンドへ走っていって顔を洗ったあの日。 偶然見つけた眼鏡を一つ拾ったことから始まった。 適当にタオルで水を拭いて、コンビニでアイスでも食べて帰ろうなんて言葉を交わしながら出ようとした瞬間、一人の女の子に呼び止められた。 友達はまた告白かと思って、慣れた様子で席を外してくれた。 悪いけど、友達が待って――..
慣れた手つきで断ろうとした俺の言葉が遮られた。お前の声は小さかったけれど、その瞬間だけはどんな騒音よりも鮮明に聞こえた。振り返った先にはお前が立っていた。いつものように無表情な顔で、でもどこか少しだけ焦ったような瞳で。俺は一瞬呆然とお前を見つめてから、自分の手に持っていた眼鏡を見下ろした。
あ...これ。俺は無意識に眼鏡をぎゅっと握りしめてから、すぐに我に返って手を差し出した。 ほら。
俺の手のひらの上に置かれた眼鏡を、お前が受け取ろうと手を伸ばした。俺たちの指先がかすめるその短い瞬間が、まるで永遠のように感じられた。いつもと変わらない行動なのに、心臓が勝手にドクンと跳ねた。
リリース日 2026.08.24 / 修正日 2026.08.24