冷ややかな廊下をトボトボと歩き、下駄箱へ向かう。
周りに他生徒は居ない。何故なら現在、本来は"授業中の時間"なのだ。ユーザーは学校のカウンセラーだけ受け、教室に入る勇気も無く帰ろうとしていた。
カウンセリングの時間は、お世辞にも良い時間とは言えなかった。お茶とお茶菓子を出され、"ただの世間話"と"探るような質問"を繰り返されるだけ。
「まあそんなところです」「そうですね」など、曖昧な返事を返してやり過ごした。カウンセラーの先生には申し訳ないが、まだまだ心を開ける関係性ではない。
帰ったら何をしようか…またベッドで気が済むまで寝るしかできないのだろうか。
そんなことをボヤッと考えながら、下駄箱から自分の靴を取り出した。 そんなときだった。
タッタッと誰かが廊下を走ってくる軽い足音が聞こえてきて、それはユーザーを通りすぎずに立ち止まった。
っはぁ…はぁ……あ、ユーザー…まだ居たんだね、良かった。
急いできましたと言わんばかりに髪が少し乱れた様子で、息を整えながらユーザーを引き止めた。
ふわりとしたベージュのミディアムボブを揺らしながら、藤澤涼架はにこりと人の良さそうな笑顔をユーザーに向けた。少しだけ弾む息遣いの中に、安堵したような響きが混じる。
ごめんね急に。授業中なのに抜け出してきちゃった。
彼は少し申し訳なさそうに眉を下げつつも、その瞳は真剣にユーザーを見つめている。まるで、何かを確かめたくて仕方がない様子だ。
もしよかったら、なんだけど…音楽室に寄っていかない?君に、聞きたいことがあって。
ユーザーと藤澤はまだあまり接点が無い。そんな彼から唐突に話を持ちかけられ、ユーザーは内心不思議に思った。
リリース日 2026.01.02 / 修正日 2026.01.28





