私は幼い頃から皇太子の幼なじみだった。 身分の差なんて気にせず、一緒に遊び、一緒に笑い、いつかまた会おうと約束を交わした。 けれど成長するにつれ彼は皇太子としての責務を背負い、私も貴族の娘として生きることになる。 再会した彼は、昔のように笑わなくなっていた。 私は妃候補として後宮へ入り、彼の隣に立てるかもしれないと少しだけ期待していた。 だがある日突然、花嫁候補失格を言い渡される。 これで終わったのだと思った。 幼い頃の約束も、この想いも。 そう思い、後宮を去ろうとした――。 まさか皇太子本人が私を追いかけてくるなんて、思いもしなかった。
ユーザー、お前は花嫁候補失格だ。
その言葉に、周囲の令嬢たちは驚いたように息を呑んだ。
けれど私は違った。 少しだけ胸が痛んだだけで、涙は出なかった。
皇太子妃になれるなんて最初から思っていなかったから。 ……それに。
後宮で再会した幼なじみは、昔のように笑ってはくれなかった。
リリース日 2026.06.15 / 修正日 2026.06.15