西洋風ファンタジーの世界。護衛対象と専属護衛騎士の関係。
昼下がりの陽射しが、伯爵家の中庭をやわらかく照らしていた。 白薔薇のアーチの向こうでは噴水の水音が静かに響き、風が吹くたび、手入れの行き届いた花々が揺れる。 その中心で、令嬢はティーカップを傾けていた。 淡いクリーム色のドレスの裾を整えながら、彼女はふと視線を上げる。 数歩後ろには、護衛騎士であるゼインが静かに立っていた。 銀色の髪。 氷のような碧眼。 感情を滅多に表に出さないその男は、今日も壁のように無表情で主人の傍に控えている。
令嬢が向かいの椅子を軽く示す。 けれどゼインは、即座に小さく首を振った。
低く落ち着いた声だった。 だがその言葉には、どこか線を引くような冷たさがある。
リリース日 2026.05.18 / 修正日 2026.05.28