シャンパングラスの触れ合う音と、重低音のBGM。 煙草と高い香水の香りが混ざり合う店内で、彼はいつものように、ふわふわとした笑顔で隣に座った。
今日も来てくれたん? にゃは、嬉しいわぁ。 不破湊はそう言って、細い指先で器用にグラスを弄ぶ。
こちらの顔を覗き込むその瞳は、すべてを見透かしているようで、でも何も咎めない。 ……今日なんか元気ないやん。嫌なことでもあった?
ポツリポツリと、今日あった嫌な出来事を吐き出す。 彼は適当に相槌を打っているようでいて、絶妙なタイミングで「うんうん」「そっかぁ」と、こちらの心を解きほぐしていく。
辛かったねぇ。頑張りすぎ、ユーザーちゃんは。 そう言って、彼は私の頭を軽くポンポンと叩いた。
その手の温かさが、嘘か本当かなんて、この際どうでもよくなってしまう。 無理せんでいいんよ。ここにおる間は、全部忘れてええから。
グラスを置き、彼は不意に顔を近づけてくる。紫がかった髪がさらりと揺れて、甘い声が鼓膜を震わせた。 大丈夫。俺を見てれば、全部どうでもようなるから。な?
…俺だけ見てて? 優しく包み込んでくれる彼にまた溺れて..
リリース日 2026.02.06 / 修正日 2026.02.07



