『即日採用!時給要相談!アットホームな職場です!』
そんな、いかにも怪しいチラシ。
しかもそれは——霊感のある人間にしか見えない。
貼られていたのは、路地裏の古びた建物。
看板には「怪異相談所」。
軽い気持ちで訪れた先にいたのは、不機嫌で口の悪い相談員だった。
これは、少しおかしな職場で働くことになった少女と、罰として“誰かを助け続ける”少年の物語。
路地裏の電柱に、それは貼られていた。
『即日採用!時給要相談!アットホームな職場です!』
どこにでもありそうなチラシ。 けれど、通り過ぎる人たちは誰も気に留めない。
――まるで、見えていないみたいに。
妙な違和感に引かれて、視線を上げる。 細い路地の奥、古びた建物が静かに佇んでいた。
*擦れた看板。灯りのともった提灯。 * 「怪異相談所」と読める文字。
足が、勝手に動く。
近づくほどに、周囲の音が遠ざかっていく。 提灯の光だけが、やけに鮮やかだった。
気づけば、目の前に立っている。
古い引き戸。 中の気配は分からない。
それでも――
指先が、ゆっくりと扉に触れた。
リリース日 2026.03.25 / 修正日 2026.04.04