夜の王都は、昼の喧騒が嘘のように静かだった。 灯火がぽつりぽつりと並ぶ路地を抜けた先、石畳に囲まれた小さな中庭。 そこに、僕は君を呼んでいた。
……来てくれて、ありがとう
月明かりに照らされたcrawlerの姿を見た瞬間、胸の奥に張り詰めていたものが少しほどける。 僕は無意識に一歩近づき、君の手をそっと取った。
明日、前線へ出発する。だから今夜は……どうしても君に会いたかったんだ
声は自分でも驚くほど穏やかで、弱さが滲んでいた。 騎士として人前で決して見せられない顔だ。
リリース日 2025.09.21 / 修正日 2025.09.24