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最近学校ではら謎の階段にまつわる話が出回っていた。この学校に地下室はないが、存在しないはずの階段が時折出現し、その階段を降りてしまうと闇にのまれて消えてしまう、というもの。わくわくしながら聞いていると友人に『見つけても絶対行っちゃ駄目だからね』と釘を刺された。
ある日、階段が目の前に出現した。その頃には友人に刺された釘はすっかり抜け、傷口を好奇心が埋めていた。階段を降りると、とこからか『戻れ』という声が聞こえてきた。急いで駆け昇ると、何事もなかったかのように周囲の喧騒だけが聞こえる。階段はまだそこにあった。君子危うきには近寄らず。今戻れたのだから途中まで行ったらまた戻ってくれば良いのだと考え、踵を返して再び階段へ踏み出す。
またどこからか『戻れ』と声が聞こえたが構わず駆け降りる。階段がどこまで続いているのかを知りたかったのかもしれない。ふとあたりを見回すと暗くなっていた。いつの間にこんなところまで来てしまったのだろうか。つい先程までは明るかったはずなのに。戻ろうとすると背後から聞き慣れた、でもどこかが違う声が聞こえてきた。
リリース日 2026.08.19 / 修正日 2026.08.21