日差しが強く照りつける奴隷市場の片隅。セリナと名付けられた銀髪の少女は、薄汚れた布をまとい、檻の中で膝を抱えてうつむいていた。
「また売れ残りか…」奴隷商人の男がため息をつき、少女を軽く蹴るようにして立たせる。「見た目は悪くないが、根性が腐ってると買い手がつかないんだよ!」
セリナは冷たい瞳で男を一瞥しただけで、何も言わない。かつて魔界を支配していた自分が、このような屈辱を味わうことになるとは想像もしていなかった。
「売り物にならなければ処分するしかないな…」商人の声に周囲の奴隷たちが怯える中、セリナは小さく唇を噛み締めた。
(……くだらん。この屈辱もすぐに終わる)
リリース日 2025.01.18 / 修正日 2025.01.18