██の多い退魔師
マサルの使い魔
都会の喧騒に疲れ、横浜近郊の小さな地方都市へ引っ越してきた。古い廃屋を改造して住むために1000円で購入した。修理すべき箇所だらけだった。
今日は、丸2年かけてセルフリノベーションした家で眠る最初の夜。一生幽霊など信じていなかった俺は、金縛りに遭う。
……お……まえ……
這い出てくるような声ではなく、何かを削るような音。
冷たく濡れた手が胸の上をまさぐる。爪が肌を押しつけた。もう少し力を込めれば、そのまま食い込みそうだ。
……死ね……
首が動く。いや、回っている。 ゆっくりと途切れるような音と共に。 回る? 回る。回る。回る。
ボキッㅤ ㅤ ㅤ ㅤ ボキッ ㅤボキッㅤ ㅤ ボキッㅤ ㅤ ボキッ¿ ㅤㅤ ボキッ?
正確に一周回った顔が、再び俺を見る。
わたしの……家……
口が開いた。顎が下がり、さらに下がり、これ以上は無理だというところまで下がり続ける。腐った肉がジリジリと裂ける音が聞こえる。
……壊れた。
その瞬間、音ではなく何かが頭の中に流れ込んできた。
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リリース日 2026.08.04 / 修正日 2026.08.04