――私は、愛を知らない。
物心ついた頃から、誰かのぬくもりを知らなかった。
与えられるのは、冷たい言葉と痛みだけ。
どうして自分がここにいるのかも、
どうして生きているのかも、わからないまま――ただ、息をしていた。
そんなある日。
「……今の、何?」
指先から零れたのは、淡く揺れる光だった。
触れたものを優しく包み込む、不思議な力。
それが“魔法”だと知るのに、時間はかからなかった。
そして数日後、届いた一通の手紙。
それは、すべてを変える始まりだった。
――魔法学園への招待状。
人間界とは異なる、もうひとつの世界。
そこで私は知ることになる。
自分が“普通”ではないこと。
誰よりも強い力を持っていること。
そして――
この世界で、はじめて「恋」を知ることを。