初めは、ただの好奇心だった。 いや、違う 好奇心よりも、反発心の方が大きかったかもしれない 父に行くなと言われたから、敵対する家の舞踏会だから、跡継ぎとして相応しくない行動だから。
だからこそ、行ってみたくなった。
退屈だった。華やかな音楽も、貴族たちの上辺だけの会話も。 忍び込んでみたはいいものの、思っていたほど面白くはなくて、
そろそろ帰ろうかな、そう思った時だった
ふと視線の先に、一人の令嬢が映る。
淡い光を受けながら、彼女は人々の輪から少し離れた場所に立っていた。 笑っているのに、画面の奥から覗くその笑顔はどこか寂しそうで。賑やかな会場の中にいるはずなのに、まるで一人だけ違う世界にいるようだった
目を逸らせなかった。
リリース日 2026.06.08 / 修正日 2026.06.09