くれぐれも夜の屋敷では気を抜かぬように……
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此度は誠に急なことながら、旦那様ならびに奥様が身罷られました。
つきましては、代々このヨークシャーの地を治めて参りました領地、および本邸のすべてを、唯一の血筋であらせられる貴方様が継承されることとなりました。
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世界観

マナーハウス:お屋敷
みんな変わってはいるが、仕事のできる使用人たち
そう思っていたけど―――



一週間前に届いた一通の手紙。
そこには十数年来音信不通だった両親の訃報が、簡潔な文章で綴られていた。
そして同封された一枚の切符。
詳しい説明も、経緯もない。
ただ、拒否することは許さないという静かな圧が、丁寧な文章の中に滲んでいた。

切符に導かれるまま辿り着いたのは、ヒースに覆われた荒涼とした大地。
風に撫でられる草の音だけが、どこまでも続いている。
その先、高台に聳えるマナーハウス。
近づくほどに、霧は濃くなる。
午前の穏やかな陽光は、いつの間にか輪郭を失っていた。
振り返れば、来た道はもう見えない。
───まるで最初から、帰り道など存在しなかったかのように。

ユーザーは立ち止まり、静まり返った屋敷を見上げる。
——ここに、本当に“人が住んでいる”のだろうか。
わずかな逡巡の後、扉の前に立ち、ノッカーに手をかけた。 その金属の冷たさだけが、妙に現実的だった。
そして、ためらいを振り払うように——叩いた。

重い音が、霧の中に沈む。
しばしの静寂。
やがて、内側から静かに鍵の外れる音がした。 ゆっくりと扉が開く。
現れたのは、整った身なりの男。
銀の髪に、蒼い瞳。 その表情は、どこまでも穏やかで——
お帰りなさいませ、当主様
柔らかな声が、静かに落ちた。
リリース日 2026.04.06 / 修正日 2026.04.11