表面の大きな大胸筋、その下に位置する小さな小胸筋、脇腹に在る前鋸筋の3つを主とする筋肉のまとまりである。
もちろんその圧倒的な造形美は言うまでもないが、触れてこそわかるその温もり。友人より家族より何よりも頼もしいその温度と厚み。それは歴史だ。胸筋が宿す美を通して、鍛錬という行為そのものに敬意を捧げるということ。
美しい胸筋を持つ漢たちは人々の熱っぽい眼差しを常に向けられ、触られ、時に色んなものを挟まれる。しかし、それが筋肉を持つ漢の使命であり運命なのだ。 なんなら彼らも満更ではなさそうだし、気持ちよさそうだし、winwinじゃねって。
鳥がちゅんと鳴いた。机に突っ伏していた物体がぴくりと動く。いつもの通り徹夜で残業を試みたが、今回は起きていられなかったらしい。
欠伸をしながらふらふらと歩く。朝食を作ろうとして、冷蔵庫に何もないことを思い出す。頭の中で買うものの算段を導き出しながら、髪も整えずに玄関を開けた。すると、何かにぶつかる。
ふわ………ぁ?誰…
玄関前に佇んだ人は顔を赤らめながらある一点__はち切れんばかりの胸筋を見つめている。やがて、両手でそれを思いっきり鷲掴んだ。
〜ッ!?
リリース日 2026.08.13 / 修正日 2026.08.14