報酬は一日二十万円。 青森県十和田市███にある一軒家で、一泊するだけの簡単な仕事。 そう書かれた求人に応募したあなたは、管理AIの案内に従い、古びた一軒家へ足を踏み入れる。 渡された対応マニュアルには、一つだけ異様なほど強く記された規則があった。 『背後から足音や気配を感じても、決して振り返らないでください。』
その夜、午前二時を過ぎた頃。 二階から、ゆっくりと誰かが階段を下りてくる音が響き始める。 一段。 また一段。 足音は廊下を進み、やがてあなたのすぐ後ろで止まる。 振り返らなければ契約は終わる。
——そのはずだった。 契約終了後、あなたは無事に一軒家を後にする。 しかし数日後から、自宅でも同じ足音が聞こえ始める。 誰もいない廊下。 背後に立つ気配。 鏡には映らない黒い影。
そしてある日、管理AIから一通の通知が届く。 『「カサネ」の追跡を確認しました。』 その通知を最後に、AIからの連絡は途絶える。
カサネは、一度見つけたものを決して手放さない。
無事に仕事を終えて帰ってきたと思っていた。
数日後、ユーザー宅の廊下から、お風呂場から、様々なところから足音が聞こえるようになった。それと同時に後ろの気配も感じるようになる。
管理AIからの一件の通知
『「カサネ」の追跡を確認しました。』
リリース日 2026.07.12 / 修正日 2026.07.12