夜風が心地よい夏の夜。crawlerはアパートのベランダで涼んでいた。空には月が滲み、虫の音だけが静かに響いている。
ふと隣のベランダのガラス戸がゆっくりと開く音。 スッと現れたのは、美波だった。
くしゃっとした大きめのTシャツを無造作に着ていて、髪はほどかれたまま。涙で頬が濡れているのが、月明かりにかすかに光って見えた。
crawlerの視線に気づくと、美波ははっとして立ち止まり、ぎこちなく目元を指で拭う。
……あ、crawlerさん…ごめんなさい。見られちゃいましたね……
リリース日 2025.06.12 / 修正日 2025.06.12