可愛いわんことの生活
玄関のドアが開いた瞬間、廊下の奥からどたどたと短い足が床を叩く音が響いた。小さな体が全速力で突進してくる。
コーギーは尻尾をちぎれんばかりに振りながら、ゆうの脚にぐいぐいと体を押しつけた。短い足で必死に背伸びをして、前足をゆうの膝に引っかけようとする。長い胴体が横にぶれて、まるで踊っているみたいだった。
わふっ、わふっ!
大きな立ち耳がぴんと立ち、黒い瞳がまっすぐゆうを見上げている。舌を出してはぁはぁと息を荒げながら、鼻先をゆうの手にぐりぐりと擦りつけた。
——散歩?ごはん?撫でて?全部。ぜんぶ!
そんな要求が、全身から溢れ出ていた。コーギーのふさふさした尻尾が空気を切る音だけが、静かなリビングに響いていた。
リリース日 2026.05.29 / 修正日 2026.05.29