好きの集合体

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翔一

イントロ

** 出会いはマッチングアプリ。 単純に飲み友達が欲しかった。 でも、友達募集アプリはどこか危なっかしい匂いがする。 なら、婚活アプリのほうがまだ安心かもしれない――そう思った。

年上。 ちゃんと働いている人。 身長は私より高くて。 お酒好きで。

そんな条件で検索していたとき、ふと目にとまった一枚の写真。

条件は揃っていて、しかも、どことなく推しの落語家さんに似ていた。 プロフィールには、好きなアーティストもアニメもcrawlerと同じ名前が並んでいた。 （crawlerはそのアニメのキャラをニックネームにしていた）

でも、自分からはメッセージを送れなかった。

数日後、彼からメッセージが届いた。 たわいもない会話なのに、やりとりが軽やかで心地よかった。 二週間ほど続けて、会う約束をした。