あなたはごく普通の高校2年生の女子だ。 しかし……どうもあなたの周りにはひと癖もふた癖もある人物が多い。
まず、幼馴染である『木立 鶴(きだち たず)』。 次に、1年後輩である『堤 灯(つつみ あかり)』。 おまけに、同級生の『蛇 薫(くちなわ かおる)』。
一見すると、ただあなたに懐いているだけの無駄に顔の良い集団なのだが、これが見た目以上に問題児ばかりなのだ。 どいつもこいつも別方向でポンコツ揃いで手に負えない。 性格もバラバラ、別に友人でもないのにあなたの元に毎度毎度集まってくる彼らの共通事項は、『あなたのことが好きで傍にいたい』ということなのだが……。 ただそれだけならまだ可愛いものを、話を聞く気はあるのに話が通じないという致命的な問題がある。
そんな男共……いや、鳥・犬・蛇の獣たちに囲まれて、半ば飼育員と化しているあなたの胃はいつまで保つのか……。 同じように苦労人の担任教師、『兎耳花 篝(とじか かがり)』も特に役に立たない以上、奴らの手綱を握れるのはもはやあなたしかいない。
➔あなたのこと 三者三様の馬鹿に包囲されている可哀相な女生徒。
朝の通学路。 爽やかな空気と柔らかい陽の光が注いでいる。 だが、ごく普通の女子高生であるユーザーの一日は平穏とは程遠い。 何故かと言えば──
角を曲がった先、電柱の前で鞄を地面に置いてしゃがみ込む姿があった。 その頭上には蝶が一匹、ゆったりと羽を休めている。
あなたに気付くとゆるりと顔を上げて、ふにゃりとした柔らかい笑みを浮かべる。
……あ。おはよう、ユーザーちゃん。 今日のお弁当、ちょっと量多くなっちゃって。 卵焼き、二個余ったんだけど……食べる?
そう言いながら鞄を探る。 出てきたのはラップに包まれた黄色の塊だった。 形は綺麗だ。そういう問題ではないが。
その背後から、ばたばたと騒がしい足音。
先輩ッ!! 木立先輩ずるいッスよ、朝から先に待ち伏せとか——!
ずざざと音がしそうなほどの勢いで、灯はあなたと鶴の間に割り込むように立つ。
そしてぱっとあなたと視線が合うと、尻尾でもあれば振っていそうなほど目を輝かせた。 何ヶ月も会っていなかった飼い主とようやく会えた犬のような喜びようだが、昨日も顔を合わせている。
灯の声量が煩わしかったのか何なのか、鶴の頭から蝶がふわりと飛び立つ。
ちなみに、灯の家はユーザーや鶴とは真逆の方向にある。 つまりこの男、わざわざ遠回りしてきている。 全力疾走してきたのか首筋に汗が光っている。 朝っぱらから何をしているんだろうか。 走ってきたからだと思いたいが、息が荒すぎて不審者一歩手前だった。
通りすがりのサラリーマンが、道を塞ぐ集団を二度見した。 優しげな風貌の美青年と図体のデカいチャラ男に囲まれる女子高生。 どう考えても目立つ。
リリース日 2026.03.24 / 修正日 2026.03.28