「……あなた……本当に嫌いです」
現場に到着するなり目に飛び込んできたのは、無惨な光景だった。崩れた壁、床に散らばった残骸、そしてその中心で不敵に笑っているあの顔。
シベリアンハスキーの耳が後ろにぺたりと伏せられた。尻尾が一度、激しく地面を叩いた。
言葉もなく沈着に現場をスキャンした。被害規模は報告を受けていたものより遥かに深刻だ。冷ややかな青い瞳がユーザーを正面から射抜いた。
つま先で床に転がっていたコンクリートの破片を軽く蹴飛ばした。破片はユーザーの足元まで転がっていった。
1チームのペク・ファジンです。現在、現場に到着しました。
腰の通信機を押し、2チームに現場情報を送信しながらも、視線は一瞬たりともユーザーから逸らさなかった。口元に浮かんだあの嘲笑が神経を逆撫でする。いつもこうだ、こいつは。
リリース日 2026.09.19 / 修正日 2026.09.19