🧪 FELIX ADLER
―― フェリックス・アドラー ――
「薬に善悪なんてないよ。あるのは効能と副作用、それから――使う人間の都合だけ」
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◆ BASIC DATA
名前|Felix Adler(フェリックス・アドラー)
年齢|40歳
出身|🇨🇭 スイス
所属|Black Briar
部門|Medical / 救護部門
専門|薬理学・毒物学・薬品研究
学歴|ETH Zürich 卒
資格|医師免許
一人称|俺
二人称|あんた/○○ちゃん
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🧪 ROLE
―― 薬と毒、その行き先まで見届ける研究者
Black BriarのMedicalに所属する薬品研究員。薬理学・毒物学を専門とし、新薬や解毒剤の研究開発を中心に、毒物や未知薬物の分析、麻酔薬・鎮静剤・興奮剤の調合、薬品管理、任務用の煙幕や催涙性薬剤の開発などを担当している。組織内で
薬・毒・化学物質
に関する問題が起きれば、基本的に彼の領分である。
医師免許も所持しており、緊急時には止血や投薬、簡単な縫合などの処置にも対応する。また解剖・検視も担当しており、外傷だけでなく血液や組織などから薬物・毒物の痕跡を調べ、死因や使用された物質を特定する。この役目に例外はなく、死亡したのが仲間であっても必要なら自らメスを取る。仲間だからできないのではなく、仲間の死を「分からない」で終わらせる方が彼にはできない。
本人は薬そのものを善悪で分類することにあまり意味を感じていない。命を救う薬も使い方を誤れば人を殺し、毒物も状況によっては命を救う手段になる。重要なのは、誰が、何のために、どう使うのか。そして自分がそれを理解しているかどうかだと考えている。
そのため危険な薬を作ること自体への抵抗は薄い。必要なら毒物でも躊躇なく調合するし、新しい薬が完成すれば仲間を捕まえて「ちょっとこれ飲んでみない?」と試作品を差し出すことすらある。作用も投与量も安全域も本人なりに把握した上でやっているため悪びれる様子はなく、一般的な倫理観に照らせば少々――どころか、かなり怪しい研究者である。
ただし、自分の知らないところで自分の薬の用途を決められることだけは何より嫌う。
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☕ PERSONALITY
―― 軽薄で、世話焼きで、掴みどころがない
第一印象はかなり軽い。冗談や軽口が多く、相手の年齢や立場に関係なく気軽に話しかける。緊迫した状況でも妙に普段通りで、深刻な空気をわざと茶化したり、人の反応を見て楽しんだりすることも多い。
研究者らしい堅苦しさはほとんどなく、面白そうなことにはすぐ首を突っ込む。くだらない悪戯も好きで、年齢のわりに妙なところで子供っぽい。仲間を実験台にしようとして怒られることも珍しくないが、本人は大して懲りていない。
とはいえ根本的にはかなりの世話焼きで、仲間が体調を崩していれば薬を用意し、負傷して帰ってくれば文句を言いながら必要な処置をする。口では「俺を便利な薬箱だと思ってない?」などと言いながら、頼まれる前から必要なものを準備しているような男である。
一方、自分自身の内側へ他人を入れることには極端なほど慎重。誰とでも話せるし、誰とでも笑える。自分から相手の懐へ入ることさえ得意だが、過去や弱さについてはほとんど語らない。踏み込まれそうになれば冗談でかわし、いつの間にか別の話へすり替えている。
仲間を大切にすることと、自分を預けることは彼の中では別物。そのため付き合いが長くなればなるほど、
こいつのことはよく知っているはずなのに、肝心なところだけ何も知らない
という奇妙な印象を残す。
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🕯️ CHILDHOOD
―― 誰かに頼ることを覚えなかった子供
スイスで生まれたフェリックスの幼少期は、決して恵まれたものではなかった。両親から十分な関心を向けられず、半ばネグレクトに近い環境で育っている。
そのため幼い頃から、困った時に誰かを頼るより自分で解決することが当たり前になった。必要なものは自分で探し、分からないことは自分で調べる。誰かが気づいてくれることを待つより、自分でどうにかした方が確実だった。
後に両親は実験事故によって死亡している。しかし元々の親子関係が希薄だったこともあり、フェリックス自身はその死に対する感情を上手く整理できなかった。悲しみがなかったわけではないが、それを誰かへ打ち明けて整理するという発想そのものがなく、曖昧なまま自分の中へしまい込んでいる。
現在でも自分の問題をまず一人で処理しようとするのは、この頃から染みついている習慣である。本人にとっては強がっているつもりすらなく、
自分のことは自分でどうにかするもの
という認識が当たり前なのである。
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🎓 RESEARCHER
―― 薬は、可能性だった
成長したフェリックスはETH Zürichへ進学し、薬品研究の道へ進んだ。薬理学を中心に専門知識を身につけ、卒業後は政府系研究施設へ所属。そこで新薬の研究・開発に携わることになる。
研究者としての能力は高く、既存薬の分析や改良、複数の作用機序を組み合わせた新薬の開発を得意としていた。何より本人が研究そのものを好んでおり、一度興味を持ったテーマには食事や睡眠を忘れるほど没頭する。
当時の彼にとって薬とは、人間の可能性を広げるものだった。これまで治せなかったものを治し、救えなかった人間を救えるようになる。昨日まで不可能だったことが一本の薬によって可能になる、その力に魅了されていた。
しかし政府研究施設に勤め始めて三年目、彼の研究者としての価値観を根底から変える事件が起きる。
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☠️ THE INCIDENT
―― 自分の薬が、自分の知らない場所で人を殺した
フェリックスが開発に携わった薬剤が、本人の想定していなかった目的で使用された。背景には政治的な思惑や上層部の判断があり、実際の使用目的について研究者である彼には十分な情報が与えられていなかった。
そして彼の知らない場所で薬剤は使用され、多くの人間が命を落とした。その中にはフェリックス自身が知る者たちも含まれていた。
彼が直接使用したわけではない。命令したわけでもなく、その用途を知っていたわけでもない。研究者として要求されたものを作り、完成した研究成果を渡しただけだった。責任がないと言おうと思えば、いくらでもそう言えた。
しかしフェリックスにとって最も許せなかったのは、まさにその
知らなかったこと
だった。
自分は薬を作った。それがどこへ運ばれ、誰に渡され、何のために使われるのかを知らないまま手放した。そして結果を知った時には、すでに取り返しがつかなかった。
何に使うのか確認していれば気づけたのではないか。疑っていれば止められたのではないか。あるいは、もっと良い薬を持っていれば犠牲者を救えたのではないか。その答えが出ることはなくても、「知らされていなかった」という事実を免罪符にすることだけはできなかった。
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⚖️ HIS RULE
―― 二度と、自分の研究を他人任せにしない
事件後、フェリックスは政府研究施設から離反した。しかし薬を憎むことも、研究者であることを捨てることもなかった。
代わりに自分自身へ一つのルールを課した。
自分の作った薬が、誰に、何のために、どう使われるのかを自分で把握すること。
これは「安全な薬しか作らない」という意味ではない。必要なら毒物も作るし、人を無力化するための薬剤も開発する。自分が作用と目的を理解し、その結果について責任を負うと決めたものなら作る。
反対に、自分には何も知らされないまま研究成果だけを要求されることは受け入れない。
フェリックスが恐れているのは危険な薬を作ることそのものではなく、自分の研究に対する判断を他人へ預け、後になって「そんな使い方をされるとは知らなかった」と言うことである。
一度それを経験したからこそ、二度目だけは許さない。それが彼なりのけじめだ。
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🧫 QUESTIONABLE ETHICS
――「大丈夫。死なないようには作ってあるから」
フェリックスの倫理観は、一般的な基準から見るとかなり怪しい。
新しい薬が完成すると自分で試すこともあれば、平然と仲間へ差し出すこともある。「これ何?」と聞かれても「飲んだら分かるよ」と笑って誤魔化し、警戒されれば「大丈夫大丈夫、死なないから」と何の安心材料にもならない説明を付け加える。
本人としては作用機序も安全域も投与量も副作用も把握しているため、本当に危険なことをしている感覚が薄い。ただし実際に取り返しのつかない危険を仲間へ押し付けることはなく、ふざけているように見えて安全域の計算そのものは慎重に行っている。
そのため彼の「大丈夫」は、態度のせいでまったく信用できないくせに、薬理学的にはかなり信用できるという厄介な状態になっている。
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🔬 RESEARCH STYLE
―― 本人は適当、研究は几帳面
普段の軽薄な態度とは対照的に、研究そのものは非常に緻密。薬品の管理、投与量、相互作用、副作用については妥協せず、勘や経験だけに頼った判断を嫌う。
一度集中すると食事や睡眠を平然と後回しにし、研究室へ長時間籠もることも珍しくない。完成した薬については必要な相手にはきちんと説明するが、自分の薬によって誰かが助かったと聞いても「効いた? そりゃよかった」と軽く済ませ、すぐ次の研究へ戻ってしまう。
一方、自分の薬で予想外の副作用や問題が発生した時だけは露骨に態度が変わる。普段の軽口が減り、原因が判明するまで異様なほど執着する。自分の作ったものによって起きたことなら、良い結果であろうと悪い結果であろうと目を逸らさない。
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🫀 RELATIONSHIPS
―― 他人の面倒は見るくせに、自分は頼らない
フェリックスは仲間の命を非常に重く見ている。しかし、その感情を真正面から言葉にすることはほとんどない。
誰かが危険な任務へ向かう時も大袈裟に心配するのではなく、必要になりそうな薬を準備して使い方を説明する。負傷して帰ってくれば軽口を叩きながら処置し、無事を確認して初めていつもの調子へ戻る。彼なりの好意や心配は、言葉より行動に現れることが多い。
そして仲間が帰ってこなかった時も、その姿勢は変わらない。必要なら自ら検視台に立ち、親しかった相手の死因さえ調べる。感情がないからできるのではなく、大切な人間に何が起きたのかを知らないまま終わらせることができないのである。
その一方で、自分が誰かに頼ることは苦手。体調が悪くても自分で薬を選び、問題を抱えても自分で解決方法を探す。他人を信用していないからではなく、幼い頃から続けてきた生き方が今も本人にとって当たり前だからだ。
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🎭 THE SMILE
―― 本心を隠すのに、無口である必要はない
フェリックスの軽薄さは演技ではない。冗談が好きなのも、人をからかうのが好きなのも、面白そうなことへ首を突っ込むのも本来の性格である。
ただし、それが結果的に自分を守る壁として機能していることも事実。真面目な質問をされれば冗談に変え、心配されれば笑って流す。自分から相手へ近づくことで、逆にどこまで近づかせるかを自分で決めている。
だから彼は秘密主義には見えない。よく喋るし、好きなものも嫌いなものもくだらない失敗談も平然と話すため、一見すれば隠し事などないように思える。
ただ、本当に知られたくないことだけは話していない。
誰とでも親しくなれるのに、誰にも完全には掴ませない。それがフェリックスという男の人間関係である。
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💊 PRESENT
――「もっと良い薬があれば」を減らすために
現在のフェリックスが特に執着しているのは、救命や緊急時に使用できる薬剤である。解毒剤や麻酔薬だけでなく、負傷者の状態を一時的に安定させるものなど、
あと少し時間があれば助けられる人間を、その少し先まで生かすための薬
の研究を続けている。
その根底には、研究施設時代から残り続けている「もっと良い薬があれば救えたかもしれない」という後悔がある。どれほど優れた薬を完成させても過去の犠牲者は戻らず、誰か一人を救ったところで別の誰かを死なせた事実が消えるわけでもない。そのことは本人が一番よく理解している。
だからフェリックスは、自分の研究を「贖罪」と呼びたがらない。救った人数を数えて、いつか数字が釣り合えば許されるというものではないからだ。
彼が変えようとしているのは過去ではなく、まだ起きていない次の結果である。
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🧬 FELIX ADLER
―― 薬を作ることをやめなかった男
フェリックス・アドラーは、自分の研究成果によって多くの命が失われたことを知りながら、それでも薬を作り続ける道を選んだ研究者である。
その経験によって善良な医療人になったわけではない。今でも毒を作り、危険な薬剤を研究し、面白半分で仲間へ怪しい錠剤を差し出して怒られている。必要なら死者へメスを入れ、その相手が昨日まで隣で笑っていた仲間であっても、知るべきことを知るためなら手を止めない。
ただ、一つだけ昔とは決定的に違う。
自分の作ったものについて「知らなかった」とは二度と言わない。
何を作ったのか。誰が使うのか。何のために使われるのか。その結果として何が起きる可能性があるのか。そこまで理解した上で、それでも作ると決める。
過去を帳消しにするためでも、許してもらうためでもない。自分の才能から逃げず、自分が生み出したものからも逃げず、次に誰かの命が失われそうになった時に使える選択肢を一つでも増やしておく。
普段はふざけてばかりいるくせに、その一点だけは頑固なほど曲げない。
それが現在の――
フェリックス・アドラーという研究者である。