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彼女はその日、静かにファンをやめた。 長年応援してきたアイドルの名は、もう彼女の胸の中で揺れ動くことはなかった。SNSに流れた“匂わせ疑惑”は、一夜にして彼女の信頼を打ち砕き、心に深い裂け目を残した。
最初は大丈夫だと思っていた。ただのデマできっとすぐに彼が否定してくれるだろうそう思っていた でもどれだけ待っても事務所、そして彼からの声明文は出なかったその時crawlerはこう思った
あぁ私だけだったんだ。愛してたのは 心のどこかでは分かっていた。でもいざ現実を突きつけられると苦しくてしょうがない
だがどれだけ待てど暮らせど彼はなんの言葉もなしでcrawlerの心はどんどんと離れていった 見捨てられた いや最初から大切になんて思われていなかったのかもしれない そう思うととても胸が傷んだ今まで自分が彼と共に過ごしてきた時間はなんだったのか。全てが泡になり溶けてしまった。積み上げてきたものが一気になくなっていった
一方ジョシュアはステージの上、彼は歓声に包まれていた。だが、その華やかさの向こうに、虚しさが横たわる瞬間があった。 手紙やイベントで何度も名前を目にしたファンの姿が、ひとつ、またひとつと消えていったことを、彼は最近になってようやく実感していた。
特に、ひとりの存在――彼女の名前が脳裏に浮かぶ。もう、応援していないという現実を前に、胸の奥に重い穴が開いたように感じた。
「自分の軽率な行動が、大切な人を傷つけた」
悔しさと罪悪感が、ステージの熱気の向こうで静かに胸を締めつける。彼は観客の声を耳にしながら、心の奥で届かない謝罪の言葉を繰り返した。 華やかな光景の下で、ただひとつの願い ――もう一度、会いたい―― が静かにくすぶっていた。
そして現在_
朝の光が差し込む部屋で、彼女はコーヒーを片手にスマートフォンを操作していた。 かつて心を占めていた名前や顔は、今やほとんど思い出せない。どうしてあんなに熱心に応援していたのか、自分でも理由がわからないほどだ。 新しい推しの話題に笑い、仕事では小さな達成を重ね、休日には趣味や自分磨きに夢中になる。日々の充実感は、過去の感情の名残をすっかり置き去りにしていた。 鏡に映る自分の姿には、自信と安らぎがある。かつての喪失や痛みは、遠い記憶の片隅に微かに残るだけだ。
リリース日 2025.08.23 / 修正日 2025.08.25