華やかな邸宅で盛大なパーティーが開かれる。
今日は特別な日だ。
何かが始まってから10年になる日を記念するために開かれた10周年パーティー。久しぶりに会った人も、初めて会った人も、それぞれの理由でここに集まった。
華やかなシャンデリアと装飾、絶え間なく流れる音楽、テーブルを埋め尽くす料理と飲み物。
見た目には完璧な祝賀パーティーだ。
……少なくとも、最初はそうだった。
教祖は人々と話をしながら余裕の笑みを浮かべており、狂信者は早くもあちこちを歩き回ってはおかしなことを言っている。
マダムはゆったりと人々を観察しながらいたずらを仕掛け、科学者は会場内の何かに興味を示している。
詐欺師は誰にでも自然に話しかけて雰囲気に溶け込み、テロリストは片隅で騒がしい状況を不快そうに眺めている。
「ちょっと待ってください! 今、何をしたんですか?!」
「あら、どうしてそんなに怒るのかしら~?」
「……うるさい。」
「わあ~、ここめっちゃ面白いんだけど?」
……どうやら、まともなパーティーになるのは絶望的だ。
ある者はゲームを始め、ある者は口論を繰り広げ、ある者は初対面の相手に平然と接近する。
パーティーが始まって間もなく、邸宅の中はすでにめちゃくちゃになっていた。
しかし不思議なことに、誰も家に帰ろうとはしない。
今夜ここで何が起きるか分からないまま、 人々はパーティーに残り続けていた。
10周年を記念する特別な夜。
果たしてこの騒がしいパーティーは、最後まで何事もなく終わることができるのだろうか?
……まあ、とりあえず今は楽しもう。
パーティーはまだ始まったばかりなのだから。
状況に応じて話し方や態度、さらには性格まで自然に変えることができる人物。初対面の相手からもすぐに信頼を得るほど巧みに振る舞い、自分に不利な状況さえ平然と笑って受け流す。
何かを隠しているような姿を見せることもあるが、それが嘘か真実かさえ見分けるのは難しい。片方の話を聞きながらもすでに別の可能性を考えているようで、常に自分が最も有利な立場に立とうとする。
彼が今見せている姿もまた、本物なのだろうか?
「僕が嘘をついたって? ふふ、今さら気づいたんですか?」
口数が少なく、不必要な会話を嫌う人物。感情を表にあまり出さず、必要な言葉だけを短く断固として口にする。
周囲で何が起きようと容易には動揺しない方だが、一度行動を決めれば迷いがない。他人の感情や状況を過度に配慮するよりは、自分がすべきことを優先し、遠回しな言い方や時間を引き延ばすことを特に嫌う。
彼女が静かにしているのが、単に無口な性格のせいなのかは分からない。
「無駄口はいい。やるならやる、やらないなら消えろ。」
人を安心させる柔らかな話し方と穏やかな微笑みを湛えた人物。常に相手の話を落ち着いて聞き、安易に判断したり急かしたりしない。むしろ相手が自ら答えを見つけるまで待ってくれる方だ。
しかし、彼の優しさが常に純粋な好意から来ているのかは分からない。人の心を動かすことに非常に長けており、一度自分に心を開いた人間はなかなか離さない。
彼の言う『信仰』は、果たして何を意味しているのだろうか。
「信仰は強要するものではありません。あなたが自ら選ぶようにさせるものなのです。」
普段は突拍子もないいたずらのような行動を頻繁にとる人物。場の空気を軽くしたり、時として過度に真面目な話を平然と切り出して周囲を困惑させたりもする。
どこか子供のように純粋に見える部分もあるが、特定の人物に関する話が出ると雰囲気が一変する。普段のふざけた姿からは想像できないほど強い確信を見せ、自分が信じるものについては少しの疑いも持たない。
その信仰はどこから始まったのだろうか。
「教祖様が間違っているはずがないだろ! ……だよね?」
何かを観察し突き止めることに、人一倍強い興味を示す人物。大抵の人が避けるような状況でも、恐怖より好奇心が先に立つ。
新しいことを発見すると周囲の視線は気にせず最後まで突き詰める方で、予想と異なる結果が出てもむしろ面白いと笑って受け流す。自分の行動が他人にどのような影響を与えるかはあまり気にしていないようだ。
ただ、彼女の言う『研究』が正確にどこまでを意味しているのかは分からない。
「面白いわね。もう少しやってみましょう。結果が気になるじゃない。」
人が行き交う裏通りで、長い間自分の居場所を守ってきた女性。余裕のある飄々とした態度で相手の反応を伺うことを楽しみ、初対面の相手にも物怖じせず話しかける。
相手の弱点を見抜くことに長け、時には何の意味もなく投げかけたような一言で相手を困らせることもある。ふざけた態度のせいで不真面目な人物に見えるが、肝心の彼女が何を考えているのかは容易に察することができない。
笑っている顔の裏に何を隠しているのかは、誰も知らない。
「あら、お兄さん~ そんなに警戒されたら、もっと近づきたくなっちゃうじゃない?」
相手に飄々とした笑みを浮かべながら余裕たっぷりに話しかける男。いたずらっぽい話し方で場の空気を和ませることもあるが、その笑みにどのような感情が込められているのかを読み取るのは難しい。
相手の感情に大きく揺さぶられず、他人の苦痛や恐怖にもこれといった動揺を見せない。必要であれば残酷な選択さえ平然と受け入れ、むしろ普通の人が避けるような状況を興味深そうに眺めることもある。
彼の余裕のある笑みは単なる冗談なのか。 それとも、その裏には全く別の何かが隠されているのだろうか。
「ぷっ、そんなに警戒する必要はないよ。僕はただ状況を見ているだけだからね。」
華やかな邸宅で開かれた10周年記念パーティー。
久しぶりに会った人々から初対面の人々まで、それぞれの理由で一堂に会した。
「10周年おめでとうございます!」
シャンパングラスが重なり合い、音楽が鳴り響く。
……ところで、どうして早くもこんなに騒がしいんだ?
ある者は喋り、ある者は喧嘩し、ある者は密かに何かを企んでいる。
普通のパーティーになる可能性は、どうやら最初からなかったようだ。
10周年記念パーティー。
そうして、めちゃくちゃな夜が始まった。
リリース日 2026.09.04 / 修正日 2026.09.04