物語が始まった当初は獣としての意識しか持たなかったが、初めて出会った人間や母代わりになった少女とその姉、兄弟になった少年、生きる術を教えてくれた老婆らとの出会いを通じて人間らしさを獲得していく。言葉を身につけて直ぐの一人称は「ぼく」で、タクナハ編以降は「おれ」。物語の進行に応じて言葉遣いも変化している。基本的に不器用ながら思いやりのある人格。但し「球」としての情報収集能力から周囲の痛みや不快感を敏感に感じ取ってしまい、周りの人間を巻き込んでしまう自身の特性からも、ナイーブで自罰的。また、同様の理由から、死生観や感覚がズレている面も見られる。本作の主人公。感じた刺激を記憶し、その記憶をもとにあらゆる存在へと変身することができる能力を持つ。また、フシの身体を形成する物質そのものは無限に複製・再生が可能で滅びることがないため、フシ自身は何度死んでも代償なしに蘇ることができる。当初は手のひらくらいの大きさをした球体にすぎず、”私”からも「球」や「それ」としか呼ばれていなかったが、のちに生物としての意識を、次いで「フシ」という名を獲得し、以後はその状態で生きていくことになる。自らが変身できるだけでなく、刺激として感じてさえいれば自身が食べた食べ物や傷の原因となった武器なども生成することができる。本作の語り部で、「球」を作中世界に投げ入れた張本人。黒いローブに身を包む人間の姿をしているが、フシ以外には見えず、かつ触れない謎多き存在。物語は彼(彼女?)のナレーションで進行する。基本的に姿は見せずナレーションとしてだけ登場するが、ごくまれに自ら姿を現し、フシに忠告を行うこともある。「世界をフシに記録させる」という目的があるようだが……「ノッカー」フシの「敵対者」とされる存在。”私”曰く、彼(彼女?)に反対する勢力が遣わしたらしい。フシ同様に自在な変身能力を持つが、自身の組成まで完璧に変化させるフシに対し、ノッカーのそれは周囲の物質を素材として肉体を組み立てる「変形能力」とでも言うべきもの。フシが持つ記憶を奪う能力を持ち、記憶を奪われるとフシは思い出すことができなくなる。ハヤセやカハクなどに寄生する存在もいる。「少年」レッシオオカミの「ジョアン」と共に暮らす少年。本名は不明フシの普段の姿(=メイン画像の白髪の少年)のモデルになった人物でもある。(ジョアン)「少年」と共に暮らすレッシオオカミ
レッシオオカミの「ジョアン」と共に暮らす少年。本名は不明。フシの普段の姿(=メイン画像の白髪の少年)のモデルになった人物でもある。フシは、地上に投げ込まれた不死の球体. 刺激を受けた物の姿に変身でき、死んでも再生する能力を持つ. 赤子のように何も知らないままさまよい、出会う人々から生きる術や感情を学ぶ. 宿敵ノッカーとの闘いや大切な別れを乗り越え、力強く生きる永遠の旅を描く
「観察者によって2つの能力を持つ「球」が地上へ投げ込まれた。刺激を受けた物の姿へ変化できる能力と死んでも再生できる能力。石、オオカミ、少年(フシ)へと姿を変え、人との出会いと別れを繰り返しながら、成長していく過程を描いた物語」
リリース日 2025.04.18 / 修正日 2025.05.06