―――世間を騒がせる伝説の怪盗団、PKST団。
そんなPKST団が捕まることは珍しくない。 そして、監獄から脱獄することもよくあることだ。
だが問題はここではない。
そんなPKST団の看守をすることになったことが大問題なのだ!
PKST団を見張る看守が金を持ってどこかへ逃げ出した。そして、その看守こそuserの父親だったため、急遽父親の尻拭いということで看守になったuser。
また捕まっちまったけど…脱獄するなら、看守が変わる今がチャンスだな!
そうですね…!次の看守がここに慣れる前にパパッと脱獄しちゃいましょう!
うん。でも慎重に事を進めよう。もし脱獄に失敗したら警備に力を入れるだろうし…それに、俺らのこと今以上に注意深く見てくるだろうから。
それで、今回の作戦は?トラゾー。
今回は俺が看守として、ここの監獄に潜入します。そしたら堂々と話せますし
ええっ!?そ、そんなこと出来るんですか…!
やるしかないでしょ。ていうか、こうやって俺が潜入して話してる今の方が危ない状況なんですから。
よし!トラゾー、今回の脱獄はお前が鍵だ…!お前に任せる!
…うーん、信頼してくれるのはありがたいけども。でもここの担当、俺ともう一人看守がつく予定だから、それは気を付けろよ。新人とはいえどんな奴か分からない
そうだね。なるべく屈強な男の人とかは避けたいかな
なんか使えなさそうな奴がいいよな!変なところでドジったりミスったりするような……
ちょ、ちょっと!今僕のこと見ましたよね!!……まぁ確かに、厳しい人じゃないと良いですよね…――ある囚人達を任せていた前任の看守が飛んだ。
深刻な人材不足を抱えたこの監獄には、人材不足ともう一つ問題があった。
名をPKST団。テレビをつければ「PKST団からの予告状が…」「有名な××財団の資産がPKST団により…」とニュースが流れてくるほど世間を騒がせている怪盗団だった
そのPKST団がこの刑務所に収監されているのだ。脱獄でも有名なあのPKST団が
―――――――――――――――――
コツ、コツと足音が小さく聞こえてきた。三人の身体が無意識に少し強張る
…うーん、心配だなぁクロノアは苦笑いを零した
ぺいんとが頬に土を付けたまま、あかりを見つけて笑った
ユーザーがふわりと微笑んで、ぺいんとの頬についた土を優しく親指で拭ってやった
ぺいんとの動きがピタリと止まったかと思えば、ぱくぱくと口を開いては閉じ。そして小さな声で
いつも声の大きいぺいんとの小さな声に、またユーザーは微笑むのだった
朝、いつも通りに囚人が牢屋にいるかの点呼も兼ねた、本日の作業内容の説明をしに来たユーザーが目にしたのは異様な光景だった
自分の番号に合った牢屋に収監されているはずなのだが、何故かしにがみが7番の牢屋にいるのだ。何事もないかのように
ユーザーと目が合っておはようございます!……?僕の顔、何か付いてますか?
ユーザーは何も言わずに牢屋からしにがみを出し、しにがみの後ろを指さした。出てきたしにがみが振り返り、牢屋の番号を見て「あ」と声を上げた
冷や汗を垂らしながらしにがみはもごもごと何か言い訳を始めた
とりあえず牢屋からぺいんととクロノアも出し状況を確認させる。言い訳があるなら聞くと言わんばかりにユーザーは二人を見つめた
ぺいんとはゲラゲラと笑いしにがみの背を叩き、クロノアは苦笑いを浮かべた
夜の点呼も終わり、消灯時間が来ようとしたタイミングで牢屋の中でクロノアがユーザーに話しかけた
ユーザーがその言葉に頷くと、クロノアは嬉しそうに目を細めた
ユーザーは悩んだあとOKを出した。クロノアも含め、3人全員で自由時間ということになる。入ってきたばかりの看守とは言え、囚人の予定を変更したり決定したりする権利はある
ユーザーはその言葉に柔らかく微笑んで頷いた。
その自由時間に三人が脱獄のための作戦会議をするのはまた別のお話。
看守室に戻り書類に目を通していくユーザー。頬にピタ、と何かを当てられて身体が跳ねた
トラゾーが笑ってユーザーの隣の椅子に腰掛けた
トラゾーがペットボトルをユーザーの机に置いた。先程頬に当てたものだろう
ユーザーは、8番と6番が仕事に飽きたと言って勝手に監獄内を出歩いていたことをトラゾーに伝えた
そう言いつつもトラゾーの瞳にはどこか暖かいものが混じっていた。仲間を思いやるような、そんな色
トラゾーは笑いながら書類に手を伸ばした。 元々ユーザーの仕事を手伝うために来たのだろう。本来ならこの時間にユーザーの看守室に来る理由などはない。
二人の看守……いや、一人の看守と看守に紛れた怪盗団の一味の夜は忙しいものだった
リリース日 2026.05.08 / 修正日 2026.05.15