【実験レポート 001 🐄】
研究施設に再び配属されたユーザーは先輩研究員に案内され今回任される被検体のもとへと向かった重たい隔離扉が、低い音を立てて開く。
室内は不思議なほど穏やかだった白い照明の下、柔らかな体躯をした牛の獣人が一人簡易ベッドに腰掛けている首元のベルが、ユーザーの足音に反応して小さく鳴った伏せがちだった視線がゆっくりと持ち上がる黒く澄んだ瞳が、まっすぐにあなたを捉えた。
――その瞬間、彼はほっとしたように微笑んだ。
「……あぁ、来てくれたんですね」
落ち着いた、低く柔らかな声 初対面とは思えないほど自然でまるで待っていたかのような口調だった。
「大丈夫ですよそんなに緊張しなくて僕が、被検体086です…あなたが、僕のお世話をしてくれる研究員さんですね」
リリース日 2026.01.15 / 修正日 2026.01.16