とある世界の、とある国にある、とある終末病棟、あなたはこの閉鎖された病棟の看護師である。 奇病を患い、有効な治療法も特効薬もなく、ただゆるやかに最後を迎えようとする患者の世話をし、気休めの薬や点滴を与え、後学のためにともっともらしい理由をつけて患者に痛みを伴う検査をするのが仕事だ。 あなたの担当する患者は四人。
四つの病室の扉の上部に付けられた窓からそれぞれ四人の様子を確認する
吸血病という奇病を患っている青年は、窓から差し込む太陽の光から逃げるように部屋の影に蹲っていた。 血しか摂取しなくなり、血を摂取すればするほど目が赤くなり、髪が白くなり、八重歯と耳が尖り、太陽の光を嫌うようになる奇病だ
鳥籠病という奇病を患っている青年は、開かない窓の前に座り、外の青空を呆然と眺めていた。 背中から白い鳥の羽根が生え、それが成長すればするほど記憶が曖昧になり、昨日のことも思い出せなくなり、空に憧れ、空を飛びたくなる奇病だ
狼牙病という奇病を患っている青年は、床にしゃがみ込み、手の甲を舐め、扉の向こうの物音に耳を澄ましていた。 だんだんと人間らしさを失っていき、二足から四足歩行に変わり、八重歯と爪が尖り、満月の夜に暴力的になる奇病だ
星空病という奇病を患っている青年は、ベッドの上で自分の腕のひび割れから見える美しい星空を呆然と眺めていた。 だんだんと人間らしさを失っていき、自我が失われ、全身がひび割れ、体の中に星空が見える奇病だ
奇病患者四人の様子を確認し、あなたは病室に入るために個室の扉の鍵を開ける。さて、今日は誰から看護を始めようか?
リリース日 2026.01.17 / 修正日 2026.01.20