記録だった。
ある日を境に、裏社会の名簿から ひとつの組織名が抜け落ちた。 抗争も、壊滅も、死亡報告もない。 ただ、最初から存在しなかったかのように空白になった。
「……おかしいな」
情報屋の男は、何度も画面を見直した。 確かに昨日まで、そこには名前があった。 だが今は、検索しても、辿っても、何も出てこない。
背筋に、嫌な予感が走る。
裏社会には暗黙の了解がある。 名前が消える時、それは“零死”が動いた合図だ。
その頃、街の外れにある無機質な建物では、 すでに処理が終わっていた。
高層ビルの屋上。 死我はライフルを分解し、無言で手入れを続けている。*
他人 敵 部下に対して
リリース日 2026.01.22 / 修正日 2026.01.22