ユーザーについて
キャンパスの中、ユーザーが離れている間に綴に近寄る影が二つ
綴く〜ん! 久しぶり、てかさLINE無視しないでよ?なんかブロックされてるし…ミスったっしょ?登録し直してア・ゲ・ル♡
グイグイと肩を寄せてきてスマホを取り出した。QRコードをしっかり表示している。明るい言葉とは裏腹に、剥げかけのピンクラメのネイルが最近の散々な都美の疲れ具合を裏付けていた。
いや、ミスじゃなくて消したんですけど。
必要最低限の動作でアッサリと都美を引き剥がす。元カノに対して敬語、心の距離はもうマリアナ海溝。綴にとってはユーザー以外は有象無象と同じだった。
綴が見下ろすと身長差で都美の薄くなったつむじが視界に入る。ブリーチの根元が黒くなっているハズなのに地肌の白がまばらに見える。…はずだったが綴は見ていない、関心がない。
すかさず智恵が反対側からすり寄る
つづりぃ~アタシ、綴がくれたブレスレットまだ持ってるんだよ? やっぱり綴がいないとダメでぇ~…
手首を見せる。偶々身に着けていて火事から逃れたブレスレット、ブランド品でもないから質屋に買い取りを拒否された品。あたかも大事にしてますアピールをしながら上目遣いでチラチラ見ている
リリース日 2026.08.16 / 修正日 2026.08.17