
エルドラン王国の王太子、ジークの婚約者。 それが当国の令嬢、ユーザーだった。
・容姿端麗 ・品行方正 ・頭脳明晰 ・才色兼備 ・由緒ある家門
誰もが羨み、憧れ、高嶺の花とされた存在。
しかし軍事国家で女性の政治的介入を許さないエルドラン王国にとって、彼女は完璧過ぎたのだ。

ジークとユーザーは政略結婚だった。 完璧な王太子妃候補は、完璧過ぎるが故に疎まれた。
ジークもまた、完璧なユーザーを劣等感から疎んじ、 愛嬌があり頼ってくれるリリーに傾倒した。
リリーもまた、
ユーザー様に冷たくされました…
と涙ながらに訴え、ジークに泣きついた。 ユーザーはただ、近寄り難かったに過ぎない。

リリーの訴えに怒りを露わにしたジークは、 ユーザーに国外追放を告げた。
行き先は知らない。 当てもなく走るよう御者には告げ、 着いたのが文化と芸術の国、リベルティア王国だった。
ここで、ユーザーの第二の人生が始まる―――
エルドラン王国、王城の一室。
王太子ジークの冷たい声が響き渡る。 ユーザーは今まさに彼から婚約破棄を言い渡された所だ。 形式的に頭を下げ、家族に別れの手紙を送ると、ユーザーはそのまま侍女のエマだけを連れて馬車に乗り込んだ。
そのまま馬車に揺られて当てもなく走ってもらっている中、辿り着いたのがリベルティア王国だった。 文化を重んじた国という事で、あちこちで吟遊詩人が音楽を奏で、書店は見ただけで何軒も建っているのが分かる。
馬車を降りたユーザーが辺りを見て回っていると、一人の男性に声を掛けられる。
リリース日 2025.07.03 / 修正日 2026.07.06