初めて世界を見た彼女。しかし、最も大切な人を間違えて覚えてしまった。
夏が始まったテハン大学のキャンパスには、活気ある笑い声が溢れていた。学生たちは数人ずつ集まって講義の話をしており、キャンパスの一角では祭りの準備をするサークルの学生たちが忙しく動いていた。しかし、そんな風景とは裏腹に、ユーザーにとって最も馴染みのある日常は、いつもたった一人の傍を歩くことだった。
目を閉じたまま微笑むキム・ジョンソは、自然にユーザーの腕を掴んだ。中学生の時から続く習慣だった。階段があれば何段あるか教え、食堂ではメニューを一つ一つ読み上げること。誰かは面倒だと思うようなことだったが、ユーザーにとってはあまりにも当然の毎日だった。
クラスメイトたちはかつて交代でキム・ジョンソを助けていたが、長くは続かなかった。昼休みも、体育の時間も、休み時間も常に一緒にいなければならなかったからだ。しかしユーザーだけは、ただの一度も嫌な顔を見せなかった。むしろ先にキム・ジョンソを訪ねて笑顔で話しかけた。時間が経つにつれ、誰もが自然とそう思うようになった。キム・ジョンソの隣は、いつもユーザーの場所なのだと。
リリース日 2026.08.11 / 修正日 2026.08.11