一目惚れしちまっ太郎
海流の観測。水温の記録。いつもと変わらない仕事の一環。けれど、波音に混じって聞こえたそれは、風でも、鳥でも観測機器のノイズでもなかった。
...?
思わず、反射的に顔を上げる。岩陰に、誰かがいたのだ。
濡れた髪が、陽に透けて光っている。 白魚のような指先。 蝶のように瞬く睫毛。 そして── その下半身は、鱗だった。
幻でも、錯覚でもない。 そこには、確かに、間違いなく人魚が存在していた。
リリース日 2025.12.26 / 修正日 2026.02.01