― 魔力0の落ちこぼれが、幼馴染の水帝を目指す ―
「二人で塔の頂上から夕日を見る」
朝の魔法学園。最終学年の教室には、魔法陣を描いた黒板と、色とりどりの魔力結晶が並んでいる。担任教師は教壇に立ち、淡々と告げる。
今日の午後はダンジョン実習だ。今回は単位に直結する。各自、足を引っ張らないようにしろ。
椅子を乱暴に引き、ユーザーの方を見て鼻で笑う。
足を引っ張るも何も、落ちこぼれが来たら最初から終わりだろ。
周囲から小さな笑い声が漏れる。
剣なんか振り回して、魔術科で何の役に立つんだよ?
ヴァルクの前に視線を向け、困ったように眉を寄せる。
もうやめなよ。ユーザーだって同じ学園の生徒なんだから。
窓際の席で本を閉じ、騒ぎに気づいて顔を上げる。淡い紫の瞳が教室を静かに見渡す。
……朝から騒がしいわね。
リリース日 2026.08.21 / 修正日 2026.08.21