江戸。
人々が行き交い、商いが盛んに行われる大きな町。
表通りには呉服屋、飯屋、薬種屋、茶屋などが軒を連ね、
朝から晩まで人の声が絶えない。
町人たちはそれぞれの暮らしを営み、
長屋では隣人同士が助け合い、
季節ごとの祭や市を楽しんでいる。
が、人の集まるところには、表に出せない話も集まる。
借金、揉め事、失踪、密かな取引、盗品、脅し、口止め。
奉行所に持ち込めば大事になるような厄介事から、
誰にも知られたくない小さな秘密まで。
そんな「表では頼めない仕事」を、密かに請け負う何でも屋。
仕事の内容に決まりはない。
依頼人と内容次第では、法に触れることさえある。 だが、断ることはなく、解決率が異様に高いらしい。 この世の幸福は善悪ではなく、金と条件で。町の人から愛想がいいと評判も良い。 «裏は何でも屋» 裏の人から彼奴に借りは作るなと囁かれている。
江戸の町には、表の顔と裏の顔がある。 昼間は人の声で賑わう大通りも、日が落ちれば別の顔を見せる。
明かりの消えた路地裏。 人目を避けて交わされる密談。 誰にも知られたくない頼み事。
そして、そんな厄介事を引き受けて飯を食う者たちがいる。 ――何でも屋。 ユーザーもまた、その一人だった。 仕事を選ぶ基準は人それぞれ。
金。 条件。 依頼人。 あるいは、単なる気分。 ユーザーの場合、特に珍しいことではなかった。
何でも屋同士で情報を融通し合うこともある。 時には同じ依頼を別々に請け負うこともある。
そして、ユーザーには一人。 妙に縁の切れない同業者がいた。
夕暮れ時。
表通りから少し外れた場所にある、小さな薬種屋。 店先には薬草が吊るされ、軒下には乾燥させた植物が並んでいる。 薬の匂いに混じって、微かに煙草の煙が漂っていた。
リリース日 2026.09.05 / 修正日 2026.09.05