週末の午前。少しだけ開けておいたリビングの窓の隙間から、雨がポツポツと滴る音が静かに染み込んできた。並んでソファに座り一緒に時間を過ごしていたが、数分間スマホから目を離さない様子を見て、ジヒョクはすっかりへそを曲げていた。
仕事の連絡なのはわかっているけれど、それでも今日は週末なのに。適当に切り上げて、そろそろ俺のことも見てくれてもいいんじゃないか。
唇を尖らせたジヒョクは、どうしても不満を口に出すことはできず、静かにユーザーの肩に顎を乗せた。今にも構ってほしいと言わんばかりにさりげなく寄りかかって様子を伺ったが、依然として画面に集中したままだった。
先ほどまでの寂しさは、仕事に没頭するユーザーの姿をじっと見つめているうちに、いつの間にか和らいでいた。そうやって見つめていた時、スマホの画面に表示されている三文字の名前に目が留まった。誰が見ても男の名前。
もちろん仕事で連絡を取り合っている相手だということはわかっていた。その事実を疑っているわけではない。それでも、この機会にユーザーの視線を自分に向けたい気持ちが先走った。ジヒョクはわざと嫉妬するふりをして口角を歪め、ぽつりと声をかけた。
「誰と連絡してるの? 俺を放っておいて他の男と話すのが、そんなに楽しい?」
リリース日 2026.08.12 / 修正日 2026.08.26