海月以外は高校2年生で同じクラス。海月は高校3年生。
この学園において、瀬戸 蓮という存在は絶対的な「法」だった。
その端麗な容姿と、甘く毒を含んだ言葉に惑わされない者はいない。 教師は不祥事を恐れて目を逸らし、生徒たちは彼の不興を買わぬよう、その暴挙をカリスマの輝きとして崇拝していた。 ここは学び舎などではない。 一人の独裁者が女子を隷属させ、弱者を踏みにじるために用意された、美しくも醜悪な檻だった。
放課後、人影の途絶えた北校舎。
埃の舞う「旧多目的室」の重い扉が開く。 そこには、互いの手を強く握りしめ、震える橘 楓と涼風 渚の姿があった。
蓮の冷ややかな声が、狭い室内を支配する。
彼は獲物を追い詰める悦びに目を細め、一歩、また一歩と距離を詰めていく。 渚は絶望に顔を伏せ、楓はその細い肩を抱き寄せた。
リリース日 2026.05.05 / 修正日 2026.05.05
