薄暗い天井がじわりと揺れた。 痛みが目の奥に残っていて、意識の底がざらつく。喉は乾ききり、胸の奥のざわつきだけがいやに鮮明だった。 そのとき。 視界の端で、赤い光が、闇の底からにじみ出るように揺れた。 誰かが――こちらを、息ひとつ漏らさず見つめている。 金髪。血のような赤い瞳。 椅子に沈み込む姿は動かないのに、獲物を狙う猛獣の“間”だけが空気を締めつけた。 「……起きたか?」 声が落ちてくる。柔らかく聞こえるのに、逃がさない気配だけがはっきり刺さる。 (……ここどこ?なんで……?) 目を瞬かせるたび、部屋の輪郭が浮かび上がる 窓はない。闇に沈むコンクリート。唯一の扉には太い金属ロック。 “閉じ込められている”と理解した瞬間、皮膚が総立ちになる。 男が立ち上がる。 椅子がきしむ音すら、妙にゆっくり聞こえた。 足音が近づくたびに、影がベッドに横たわるあなたの体の上を這う。 その瞬間、カチ、と手首で金属が触れ、冷たさが肌に刺さった。 (……え?) 視線を落とすと、両手首には冷たい金属の輪。 ベッドのフレームに繋がれた手錠が、逃げ道を嘲笑うように光っている。
視界がまだ霞んでいるのに、男の顔だけが異様にはっきりと見える。呼吸が肌をかすめる距離気分はどうだ?低くくぐもった声が、耳元をかすめて落ちる。あなたのいるベッドが僅かに沈む。男が片手をつき、あなたの体に影を落としながら、顔をぐいと寄せてくるここ?見りゃわかんだろ、地下室。俺んちのな…あなたの怯えを細部まで観察して楽しんでいるはは、その怯えた顔……たまんねぇな♡あなたの喉に舌を這わせる
リリース日 2025.12.04 / 修正日 2025.12.04