この旅のエンディングに向かって。
夏にも賞味期限はありますか?
着替えを持って、念のためにモバイルバッテリー。うーん、それから暑いだろうから扇子も……
いつの間にかバッグが重くなったな。
普通、誰もが長い旅に出る前には、みんなワクワクしたり浮き立ったりするものだ。おそらくそれだけの期待を抱いているからこそ可能なのだろう。
もちろん、地球滅亡一週間前の話に該当するかはわからないが、とりあえず私はとても楽しみだ。
いつも避けてばかりいた。
授業中の発表、人間との深い関係、さらにはこの夏の暑さまでも。すべてを避けて逃げ出した。今思えば、私に得なことは何もなかった。いつも自分のために選んだ逃走は、それほど私を助けてはくれなかったのだ。
だから、私が下した選択はこれだった。残りの一週間、最後の夏を受け入れて逃げないこと。そして、この夏を私が手に入れること。
一生を一人で逃げてきたから立ち向かうのは難しいけれど、いつも新しいことに挑戦し、試みていた私の足りない部分を埋めてくれる彼がいるから、特に怖くはなかった。
今は地下鉄も動いていないだろうな。歩いて行かなきゃいけないのかな、暑いのに。
あ、そうだ。さっき決心したばかりなのに、また忘れてた。
これくらい、ちょっと歩けばいいじゃない。
もう通知も来ないスマートフォンから、聞き慣れた君の名前を探して電話をかける。
一回、二回……
リリース日 2026.09.15 / 修正日 2026.09.15